最新のオレゴン州経済(2025年 3月)
地 域 雇用総数 失業率 前月比 前年同月比 前年同月比増減
全 米 163.4百万人 4.2% +0.1% +0.4% +2.0百万人
オレゴン州 2,097千人 4.6% +0.1% +0.5% +2千人
ポートランド 1,315千人 4.9% △0.1% +0.7% △15千人
セーレム 215千人 5.0% +0.1% +0.8% +4千人
ユージーン 181千人 5.0% △0.1% +0.6% 微減
メドフォード 100千人 5.9% 不変 +1.0% 微減
ベンド 129千人 5.2% △0.2% +0.5% +3千人
アルバニー 59千人 5.6% 不変 +0.9% 微増
コーバリス 48千人 4.1% △0.1% +0.7% △1千人
グランツパス 33千人 7.2% △0.1% +1.7% 微減
(季節調整後データ;ポートランド経済圏はワシントン州バンクーバー地区も含む)
【1月】 オレゴン州の2025年1月の季節調整済の失業率速報によれば、前月比0.1%ポイント上昇し、”4.4%”でした。この失業率は、2021年9月以来の高水準でした。全米の失業率も0.1%ポイント上昇し、4.4%でした。非農業給与所得者総数は、2400人の増加でした。オレゴン州の場合は、専門ビジネスサービス・観光業・私的教育サービスが牽引しましたが、製造業及び医療介護サービスが減少しました。オレゴン州の雇用は、全般的には好調なのですが、特に過去2年間、製造業の雇用減が気になるところです。
【2月】 オレゴン州の2025年2月の季節調整後の失業率速報によれば、前月の修正値比0.1%ポイント上昇し、”4.5%”でした。これは2021年8月以来3年ぶりの高い失業率です。業態別には、専門ビジネスサービス・情報・製造業・政府関連が若干堅調でしたが、建設・教育・金融が落ち込みました。過去1年間の雇用状況を顧みれば、専門サービス点・政府関連は堅調でしたが、製造業・建設・小売業は落ちこみました。
【3月】 オレゴン州の2025年3月の季節調整後の失業率速報によれば、2月の修正値比0.1%ポイント上昇し,4.6%でした。2021年8月以来の高水準でした。全米の失業率は、4.2%でした。3月のオレゴン州の非農業給与所得者総数は、7,300人増加しましたが、一部の医療関係のストライキが終了した医療介護関連、そして専門ビジネスサービス、卸売り業が堅調でした。3月で終わる一年間で、オレゴン州の民間雇用は4,500人増加、コロナで減少した雇用減をほぼカバーした形です。
以上
オレゴン日系企業およびオレゴン経済産業情報
最新のオレゴン州経済(2025年 3月)
- ポートランドを拠点として119年続いた鉄工最大手、SCHNITZER STEEL INDUSTRIESの上場子会社、RADIUS RECYCLING(1906年設立)は、オレゴン州に本社を持つ37社の上場企業中6番目に大きい企業ですが、今般トヨタグループの商社の米国現地法人、TOYOTA TSUSHO AMERICA INC.が買収することで合意しました。買収合維持の株価は$30/株でした。株式買収で買収額は債務を含み4億ドルです。買収はRADIUS株主総会の合意の上、2025年後半に完了の予定です。RADIUSと豊田通商は長い取引関係にありました。RADIUSは、買収後も同じ経営陣でポートランドを本社として態勢に変更はありません。RADIUSは、これまで鉄工スクラップを輸出していましたが、近年米国市場の弱体化と中国市場の不振により苦況にあり、需要が落ち込み、収益力の低下で株価が50%弱まで大きく下落していました。本件は、豊田通商の世界屑鉄市場の維持のための長期的ビジョンでの救済買収です。(Portland Business Jouranl dated 0313,2025)
- 日本のソフトバンクは、3月19日、シリコンバレーの半導体設計会社、AMPERE COMPUTINGを65億ドルで買収、ソフトバンクの全額出資の子会社となることを発表しました。AMPERE COMPUTINGの名前はそのまま使用します。同社はSANTA CLARAに本社がありますが、元インテルの社長であったRenee James氏が2018年に創設、クラウド半導体を設計していますが、先進AIの開発にも注力しています。これまでの主要な株主であったORACLE社やCARLYLE社は持株を全て譲渡する予定です。AMPEREはポートランドのPearl Districtで世界で1400人の従業員の内、250人が勤務しており、米国でのAI開発の主要な拠点となっています。買収は今年の秋には完了する見込みです。(Portland Business Journal dated March 19, 2025)
- オレゴン州とアリゾナ州の司法長官は、トランプ大統領による12件の大統領命令は憲法違反であり、不法行為であると共同でトランプ政権を訴訟しました。訴訟には、米国で出生した市民権の強制退去からの保護・連邦職員の大量解雇の差し止め・連邦の補助金や融資の停止などが含まれています。これらは公に議論されず密室で決定され、Elon Muskを含めて、無知による一方的決定で、大量の米国民に影響を与えており、憲法違反であり、連邦法違反である、としています。アリゾナ州の法務長官は、2019年までは共和党の所属で、米国政府の250年の歴史を崩壊させるものであると訴えています。(Portland Business Journal dated April11, 2025)
以上