新型コロナウィルスとオレゴン州(その二)
日本もそうですが、米国でも新型コロナウィルスの猛威が、第二波と思われる感染増は到来しつつあります。人が多く集まる所が第一波であったとすれば、第二波は、防衛策の緩和や人の緩みによる感染だったでしょう。100年来のパンデミックとはいえ、人類の弱点をウィルスが突いてきたような気がします。日本には「東京オリンピックのキャンセルは、人類がウィルスに敗北したことを意味する」とわけの分からぬことを言うご仁も居ますが。
オレゴン州は、日本の岩手県と言われ、感染者、死者ともに全米でも少ない州なのですが、全米の傾向と同様、第二波かと思われる増加傾向を見せ、一時は緩和された小売業は、カリフォルニア州はすでに2回目のレストラン閉鎖が行われていますが、オレゴン州では閉鎖は行われていませんが、全州でレストラン内でのマスク着用が義務づけられています。もちろんオフィス内でも客や出入業者も含めて、建物にいる人間は皆、マスク着用が義務づけられています。
さて、100年ぶりの世界的パンデミック故に、各国政府の施策も感染終息と経済復興のバランスで試行錯誤、という面もありますが、それでも毎日のように記者会見に出て訴え、施策を打ち出し、説明し、理解を訴える政府行政府は、大変な御苦労だろうと推察されます。いくらどこの政治家であろうとも、国難、人類の世界の苦境のときに、党略により為政者のやることにケチを付けたり、揚げ足をとったり、相手をバカにしたりしてはいけません。民主国家ではそのような政治家は支持を得られないでしょう。
日本では、コロナ難のおまけに豪雨災害が加わり、最悪の状態です。災害救助法による被害住民の公的支援は当然ですが、政府も地方行政も合理的ですばやい対応をしてほしいと思います。常日頃、中央政府も地方行政を把握しているはずですから、地方行政の特殊性や地域事情や実態を充分に理解して、機動的に地方を支援して貰いたいものです。
コロナ対策と経済は、諸刃の剣で、相対立する人類の目標です。理想的には、どちらにも片寄らず、バランスが大事なのでしょう。そのバランスをとる分水嶺が未知の世界で、模索しながらそれを探るしか有りません。
公金を使うのですから、私利私欲や政治的目的の為に公金を使う前時代的な政治家はもはや居ないとは思いますが、米国では公金だけでなく、会社のお金を私的に使用する行為は、国民的に最も嫌う、最も野蛮な行為という社会通念があります。例えば会社所有のヨットや船で客を招いてのパーティーでも、米国税法は損金算入を認めません。
そういえば日本では”GO TO TRAVEL“と銘打った唐突な政策が打ち出されました。これは観光業振興の施策なのでしょうが、東京が排除されました。政策効果を疑うのではなく、これは今の時点で「経済」に片寄った、かつ不公平な間違った施策と思います。経済は大変重要です。しかしバランスの上では、まだ一部業態への支援策としては、早すぎるのでは無いでしょうか?まさか中央の政治家の政略があったとは思いませんが、あまりに急に呈示され、観光に照準を当てた唐突な政策だったもので、そう感じました。東京だけを除外して、果たして観光復活の効果があるのでしょうか?逆に感染が拡大しなければいいのですが。
私めの若い頃からの自論ですが、自由民主法治国家では、税制は広く薄く、権力よりも権限で、格差は税制で再配分を、というのが私めの理念です。
行政府や各種団体の陳情もさることながら、今の国家の難局を皆で乗り越えるためには、いろいろな施策が並べられる中で、最も適当と思える施策は、まずは「有期の消費税の引下げ」では無いでしょうか?消費税生自体は、広く薄い税制として大賛成なのですが、コロナが収まるまでの有期の一時的施策として、最も公平で、広く、薄く、全国に行き渡る公正な政策だと思います。
そのほかは「最低賃金の引き上げ」でしょうか?これが中小企業に負担あると言うのであれば、中小企業には特別の中小企業雇用促進優遇税制」などを付与すればいいのです。
そのほか、「正規社員と非正規社員」のステイタスの相違がよく理解出来ません。もし待遇や処遇に基本的に差があるのであれば、これは悪しき雇用制度です。フルタイムとパートタイムの差はわかりますが、正規と非正規は明らかに雇用形態の差別では無いでしょうか?派遣はまだ理解できるのでが???なぜ日本は、このような差別的な労働市場になったのでしょうか?暗黒の20年の日本経済の経営者に偏った悪しき負の産物だったのでしょうか?
(2020年7月記)