最新のオレゴン州経済(2023年 12月)
地 域 雇用総数 失業率 前月比 前年同月比 同増減
全 米 160.8百万人 3.5% 不変 +0.2% +1.9百万人
オレゴン州 2,076千人 3.7% +0.1% △1.1% △1千人
ポートランド 1,319千人 3.7% +0.2% △0.6% △3千人
セーレム 204千人 3.8% 不変 △0.9% 微減
ユージーン 170千人 4.0% +0.1% △1.1% △3千人
メドフォード 101千人 4.1% 不変 △1.2% 微増
ベンド 99千人 3.6% 不変 △1.1% +1千人
アルバニー 59千人 4.0% +0.1% △1.1% 微増
コーバリス 49千人 3.2% +0.2% △0.8% +1千人
グランツパス 35千人 4.9% +0.1% △1.4% 微増
(季節調整後データ;ポートランド経済圏は1ワシントン州バンクーバー地区も含む)
【10月】 オレゴン州の2023年10月の季節調整済の失業率速報によれば、9月の修正値比0.1%ポイント上昇し、”3.6%”でした。オレゴン州の10月の非農業給与所得者総数は、4,600人の増加で、10月は主に専門ビジネス・サービス、観光はじめ、製造業、小売業、医療介護などの業界が伸び悩みましたが、前年同月比では順調に伸びています。主たる業界では建設業が10月も順調に伸長しました。
【11月】 オレゴン州の2023年11月の季節調整後の失業率速報によれば、前月と変らず、”3.6%”でした。11月の非農業給与所得者総数は、前月比7300人減でしたが、主として専門ビジネスサービス・建設・観光、金融・情報産業の減少によるものです。
【12月】 オレゴン州の2023年12月の季節調整後の失業率速報によれば、11月の修正値3.6%から0.1%ポイント上昇し,3.7%でした。全米の失業率と同じです。12月の非農業給与所得者総数は3,900人の増加で、健康介護・建設・小売が牽引しました。建設は、主として住宅建設関連が好調でした。勿論、小売はホリデーシーズンの対応が主因です。
以上
オレゴン日系企業およびオレゴン経済産業情報
- トロント大学とUCバークレイのGPSを使った北米18百万人を対象とする、パンデミック以前と比べた全米66都市への移動調査によれば、ポートランドへの訪問人口は、2019年水準の61%だった模様です。これは全米平均の74%より低い水準で、全米主要都市のなかでも下位の水準でした。ポートランド市では、オフィス市場がパンデミック以降不振を極め、一方主たる小売業界やその他の中小ビジネスは、顧客減少に苦しんでいます。調査した大学は、都市を多様化し、娯楽や教育・医療などを誘致する支援策を考えるべきと示唆しています。ポートランドは、全米66都市中61位で、ポートランドより下位にあるのは、セントルイス・ケンタッキー州ルイスビル・ミネアポリス・シアトル・オハイオ州コロンバスだけで、徒歩の観光客は、パンデミック以前の53%にすぎませんでした。人の動きは、観光だけではなく、経済も大事で、1位となったラスベガスやサンノゼのように、建設プロジェクトやオフィスリースの復活が求められます。
(Portland Business Journal dated 10/30/2023)
- オレゴン州最大の民間雇用者である「インテル」は、ポートランドの西の郊外であるHillsboroに巨大な半導体研究施設をもっていますが、今般第4期の拡張により、約2,000人の雇用を生み出す見込みです。
(The Oregonian dated 10/23/2023)
- 2023年のオレゴン州の最大の経済ニュースを回顧すれば、オレゴン最大のメーカーであるインテル社の雇用拡大でしょう。連邦の半導体優遇税制(CHIPS ACT)と相まって、それを補完するオレゴン州の優遇税制が議会を通過し、すでに16社の申請が当局に為されているようです。インテルは2023年第一四半期は28億ドルの赤字だったのですが、第二四半期以降はまだ昨年度には及びませんが、黒字に回復した模様です。AI需要の拡大と共に、今後も回復が進む見込みです。一方で、ポートランド電力(Portland General Electric=PGE)やPACIFICORP電力会社の2030年代までに80%の排気削減目標など環境対策の強化が進んでいます。またポートランドに本社のあるDaimler Truck North Americaでは電気トラックの開発と生産が進んでおり、今後もポートランドでの排気ガスゼロ・トラックの開発が予想されます。
(Portland Business Journal dated December 22, 2023)
- 積水ハウスは、コロラド州の住宅建設上場会社MDC Holdings社を49億ドルで買収する事で合意しました。積水グループは、主として米国西海岸で戸建て住宅建設に注力しており、オレゴン州でも2021年にHOLT HOMES GROUPを設立、ポートランドでは第二位の実績を有する住建会社です。買収後は、米国16州で事業展開を拡大することになり、全米5位の住建会社となる見込みです。株主総会や法的手続を含め、2024年前半には合併を完了したい模様です。
(Portland Business Journal dated 01/19/2024)
以上