最新のオレゴン州経済(2023年 9月)
地 域 雇用総数 失業率 前月比 前年同月比 同増減
全 米 161.7百万人 3.8% 不変 +0.3% +2.7百万人
オレゴン州 2,074千人 3.5% +0.1% △1.1% △23千人
ポートランド 1,313千人 3.4% △0.1% △0.9% +1千人
セーレム 205千人 3.5% 不変 △1.2% △3千人
ユージーン 170千人 3.7% △0.1% △1.3% △4千人
メドフォード 102千人 4.1% 不変 △1.0% △1千人
ベンド 98千人 3.6% △0.1% △0.9% △2千人
アルバニー 58千人 3.8% 不変 △1.2% △1千人
コーバリス 47千人 2.9% +0.2% △1.0% 微減
グランツパス 35千人 4.7% 不変 △1.5% 微減
(季節調整後データ;ポートランド経済圏は1ワシントン州バンクーバー地区も含む)
【7月】 オレゴン州の2023年7月の季節調整済の失業率速報によれば、6月の修正値比0.1%ポイント下落し、”3.4%”でした。オレゴン州の失業率は、1月は4.8%でしたが、6カ月連続の下げでした。非農業給与所得者総数は、6月に続き、7月も6,800人の増加で、医療介護関連や政府関連、専門ビジネスサービス、建設などが堅調でした。
【8月】 オレゴン州の2023年8月の季節調整後の失業率速報によれば、7月と変らず、”3.4%”でした。これは2019年11月及び12月の最低水準と同じ比率で、本年の5月以来、3%台を推移しています。小売りや建設・専門サービスが雇用の減少をみましたが、観光業がこれらの減少を十分カーバーする増加を示しました。この一年間では、観光業が10,500人、+5.3%、医療介護が14,000人、+5.2%の増加をみました。
【9月】 オレゴン州の2023年9月の季節調整後の失業率速報によれば、8月の修正値3.4%から0.1%ポイント上昇し,3.5%でした。9月の給与所得者総数は8,100人増加しましたが、主として建設業・専門ビジネスサービス・観光業がこれを牽引しました。また専門ビジネスサービスは、企業経営関係や専門技術サービスが好調でした。観光は、パンデミック以前の水準をやや下回ったままですが、事実上はすでに回復しており、伸び悩んでいるのはホームレスや治安などポートランドの観光への魅力がやや低下したのが、反映しているのではないかと思われます。
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オレゴン日系企業およびオレゴン経済産業情報
- オレゴン州は、労働者にとり働きやすい州として、男性で全米第2位、女性では全米第1の州にランクされました。これは国際的な反貧困団体であるOXFAMが、賃金・労働者保護・労組組織権などを基にBest States for Workers Index (BSWI)として評価・公表したしたもので、各州が、連邦雇用法をいかに労働者のために補完してるかどうかを評価するものです。男性にとり、オレゴン州は、カリフォルニア州に次ぎ第2位で、はじめて公表された2018年の評価では6位でした。ワシントン州は2023年は第5位にランクされています。例えば、戸外で働く労働者に対してね抽象防止対策を講ずることを義務付けていることです。反面成長するテキサス州は、52州・地域中、47位で、州が独自の熱中症保護対策の法規制を制限しています。またオレゴン州では、家族の看護などのために勤務時間に弾力的に運用することを法で要求しています。さらにオレゴン州の最低賃金は、都市部は$15.45、過疎部は$13.20と全米でもカリフォルニア州に次ぐ上位にあり、特に女性にとり、州主導の家族疾病看護休暇に対する新たな賃金補てん制度などが新設され、高い評価を受けることとなりました。反面、オレゴン州内の、特に中小企業は、雇用コストの増加に大きな不満を持ち、ポートランドから郊外または他州に退出する企業も散見され始めています。 (Portland Business Journal dated August 31, 2023)
- ポートランドと東京・羽田を結ぶデルタ航空の直行便は正式に廃止される見込みです。メディアによれば、デルタ航空は連邦交通省から割り当てられていたポートランド/羽田の国際戦を廃止したい旨の申請した模様です。ポートランド港湾局は、アジアの直行便がなくなる為、目下アジアの玄関口を模索している模様ですが、現在最も有力なのが、デルタが羽田便を韓国のソウル空港に変更することのようです。
(Portland Business Journal dated September 26, 2023)
- 米国とオレゴン州の経済予測:現在のインフレ懸念から、米国のリセッションは十分予想されますが、来年にはソフトランディングできるのではないかとの予測です。Federal Reserveの金利引き上げにより、経済はややスローダウンし、リセッションを回避して、インフレ抑制に成功するとの見方です。米国のインフレは、2022年夏の9%から2023年9月には4%に沈静化する模様です。これはFedral Reserveの目標である2%より高いのですが、労働市場は根強く、オレゴン州の雇用もパンデミック終了後でも力強いでしょう。雇用の伸びも安定的に伸び、失業率も歴史的な低さ4%前後を維持するものと予想されます。オレゴン州の産業別の今後3年間の雇用の伸びは、医療介護・観光業・建設業・専門ビジネスサービスが牽引し、2%〜4%の伸びを示すと予測されています。
(Oregon Employment Dept., Office of Economic Analysis, September 2023)
以上